高気密高断熱の家は必要か?
残念な結果にもかかわらず、水泳の北島康介選手のコメントが潔くて爽やかでした、胸を張って帰国してもらいたいです。
先日、ライフプランを作成させていただいたお客様から、家計の光熱費の削減方法について質問をいただきました。そのお客様はどうも自分たちの光熱費は他人と比べて多いのではないかと思っているらしく、これから作る住まいは光熱費の削減できる住まいとして、「高気密高断熱の家」にすると決めていらっしゃるそうです。
異論をいただくかもしれませんが、高気密高断熱の住まいは寒冷地での住まいを基準としていると私は解釈しています。気密性と断熱性を高めて外気を遮断することで冷暖房の効率を上げて快適な住まいにしようという理屈です。ということは、「基本的には窓は開けないで生活してください。」という事でしょうか?であるならば高気密高断熱の住まいの最大の弱点は“自然を感じられない住まい”になってしまうという事です。
だからといって全ての人に高気密高断熱の住まいが向いていないわけではありません。例えば高齢者や体の弱い人など、外気を感じる能力が健常者より弱い人などには快適に過ごせる住まいになるかもしれません。
優れた技術であるほど、使い方を間違えると逆効果になってしまうことがあるということです。日本に住まう限りは、一年中窓を閉め切った生活はあり得ないでしょう、そうなると冷暖房機器を使わないときに、いかに自然の風を利用する事ができるかが「高気密高断熱の住まい」の要といえるでしょう。
冒頭のお客様の光熱費の削減については、さらにお伺いしてみると、現在の住まいには電気式の床暖房がついているが、電気代が驚愕の金額だったのでワンシーズンしか使用しておらず、仕方がないのでガスファンヒータにしたら今度はガス代金にびっくり、夏は共働きで昼間は家におらず、夜間は輻射熱でエアコンなしでは寝られない、と冷暖房に悩まされ続けているので「高気密高断熱の住まい」しかないと思われたそうです。選択肢としてはあり得ますとお伝えしましたが、「高気密高断熱の住まい」を正しくプランできるパートナーと住まいづくりをしていただかないと、割り増しの工事費だけを払って残念な結果になりかねないと併せて進言させていただきました。