融資額が減額されます。
この春、何故だかあまり話題になっていない気がしますが、住宅金融支援機構の【フラット35】の一部の商品が大きく制度変更されます。【フラット35】Sエコが発表されたときは随分話題にのぼったのに世間の取扱いが小さいのは何故でしょう?
【フラット35】が2004年に誕生したころは、とてもシンプルな融資商品で扱いやすかったですが、最近はやたらと種類が増えてなんだかややこしくなりました。
現在では購入額に対して全額融資を行う住宅ローンは珍しくありませんが、【フラット35】の前の時代の融資額は、購入金額の8割までというのが一般的でした、ところが【フラット35】が全額融資を始めたので、各金融機関が追従して全額融資を始めた感があります。
その全額融資で先頭を切っていた【フラット35】がまだ一部の商品ですが、今年の4月より全額(100%)融資を90%へ融資額を変更(減額)するというのです。
たった10%と侮ることなかれ、
『これまでは3,000万円の物件で3,000万円お貸ししてましたけど、これからは2,700万円しか貸しませんよ。』
と言い出したわけです。
全額融資をあてにしていた方にはびっくりですね、急に足らない300万円を調達しなければいけない訳ですから計画変更やむなしです。
計画的なライフプランから考えれば、100%全額融資で住まいを購入するというのは、一部の人を除き、あまりお勧めできる方法ではないため、影響は少ないでしょうが、どうしてこの制度変更がなされるのか、という事には興味があります。
住宅金融支援機構は制度変更の理由をアナウンスしていないみたいなので分かりませんが、全額融資に問題があったという事なのでしょうか?とにかく若い世代が住まいを買いやすくするために全額融資が存在したのだと思いますが、それによって無計画な購入になり、破綻する人が大量にでているということがやっと問題視されてきたのだとすると良い傾向に向かっているのかもしれません。
この制度改正は不動産業界全体の目で見ると「売りにくくなる」訳ですから歓迎されないでしょうが、弊社のスタンスとしては大歓迎です。「貸してくれるから買いましょう。」ではなく、「この返済計画の範疇で最良の住宅ローンを選択しましょう。」が正しい住まいの買い方です。