住宅取得価格が値上げされる?
昨日の日銀の「インフレターゲット導入」の発表には驚いた方も多いでしょうね、日本人が今まで経験したことのない時代を迎えるのかもしれません。日銀発表の概要は以下の通りでした。
日銀の決定内容骨子
・緩やかなインフレ目標として新たに「中長期的な物価安定のめど」を導入
・当面は消費者物価上昇率1%を目指す
・物価安定のめどは原則として1年ごとに点検
・国債などの資産買い入れのための基金を55兆円から65兆円に拡大
・ゼロ金利政策は維持・日本経済は横ばい圏内の動き
さて、この決定は住まい探しにどういった影響を与えるのでしょうか?この議論は今後の経済学者やコメンテーターにまかせるとして、「インフレターゲット導入」の導入ということはものすごく簡単にいうと、「物価を意図的に上げる」という事だと私は解釈しています。物価を上げれば当然に住まいの取得価格も上昇するでしょう、実際の影響がいつごろから現れるのかはわかりませんが、本日の為替と株価は敏感に反応している様子ですから、意外に早く影響してくるかもしれません。
仮に「インフレターゲット導入」の影響で住宅ローンの長期金利が現状より1%上昇するとした場合、3,000万円の借り入れで35年返済の場合は、余計に支払う金利は600万円にもなります。
消費税の増税が5%だとしても、増えるのは3,000万円の場合は150万円ですから、それを遥かに上回る負担増ですね。少なくともこの20年間、一時期を除き基本的に日本の長期金利は右肩下がりで、日本人は著しい金利上昇を経験していません。住宅ローンを借り入れる場合はこれまで以上に慎重に検討しなければいけない時代になるのは間違いないと断言してよいと思います。