大川小学校の訴訟に思う事。
2016/10/28
ちょうど一年ほど前、東日本大震災の津波で児童７４人と教職員１０人が死亡・行方不明になった宮城県石巻市立大川小学校の跡地を視察させていただきました。跡地と言えども現地には惨たらしい姿の元校舎が、巨大な生き物の骸の様に横たわるだけで、周辺には本来は存在したはずの集落の名残すらなく、ただ草原のような平地が続いていたのを覚えています。
この悲劇で適切な避難行動をとらなかったとし訴訟になり、一審では市側が敗訴、判決を不服として市が控訴とどちらも譲らない姿勢のようですが、争う姿を見たくないのは亡くなった子供らでしょうから、一日でも早く手を結び、それぞれが未来に向かっていただくことを願います。
今回の判決が遺族側の要望を満たすものなのか、また主張が正しいのか、それとも市の主張が正しいのか、皆の知る権利が果たされたのか、私には知る由もありませんが、関係者の全員が納得いく答えを得るのは、当事者のほとんどが亡くなってしまった今としては困難を極めることでしょう。
犠牲者が犠牲者を裁くようなことにでもなってしまえばお互いにとって不毛な争いでしょうし、誰にも帰る場所が無くなってしまいます。本当の答えは誰が応えてあげられるのでしょうか、全ての遺族が報われる日が来るのを願ってやみません。
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