24時間換気のスイッチを切る工務店。
2015・2・2
この季節に間取りの打ち合わせをしていると、必ず暖房の効率の話になり、そして建物の気密性・断熱性の話題になります。
気密性・断熱性の性能を高める方法については、基本的な構造によって対処が異なるので一概にどれが良いとは言えません。但し、共通して言えるのは気密性を高めるのならば、きちんとした換気性能も同時に考えておかなければいけないということです。
とはいえ現在では、よほどいい加減な建設会社でない限り、法律の基準を満たす換気性能を持つ住宅を建てることはできます。問題なのは、完成してから入居者が換気機能を上手に使いこなすことができるかどうかです。
先日も弊社のお客様と工務店との打ち合わせに立ち会っていると、こんな会話が交わされました。
工務店「今は24時間換気が義務ですので、必ず設置しなければいけません。それでもスイッチがあるのでいつでも切れますけどね。」
お客様「それなら安心、電気の無駄使いをしなくて済むね。」
本末転倒とはこういうことを言います。
本来ならば、工務店やハウスメーカーから積極的に24時間換気の使用を薦めなければいけないのに、一緒になってせっかく付ける設備を使わないようにしています。この場合はむしろ24時間換気を使わないことの危険性を説明しなければいけないのに、そのあたりの理解がどちらがわにも足りないようです。
VOCの問題はかなり改善されているので、24時間換気は必要ないという人もいますが、家具などから発せられる有害物質や、新築なのに捨てるのがもったいなくて使われ続ける灯油のファンヒーターなど、室内の空気を汚す原因はいまだに身近にたくさんあります。利用する人がデメリットを十分承知し、スイッチを切るのであれば仕方がないでしょうが、工務店やハウスメーカーの人間がスイッチを切ることを薦めるのは後々に問題になります。
24時間換気に限らず、売り手の立場とすれば、つい買い手の意見に迎合してしまうのは、気持ちとしてはわからないわけではありませんが、本当に顧客のことを考えてあげるのであれば、マイナスの情報もきちんと伝えてあげることも大切です。お客様にときには苦言を言えるぐらいのが本当の顧客第一主義なのかもしれません。
亡くなられたジャーナリストの後藤さんのご遺族が、現在の心境を「塗炭の苦しみ」と表現されていました。私には、理不尽な行為で家族を奪われることは想像することもできません、様々な意見があるかと思いますが、まずは同胞として心よりお悔やみ申し上げます。
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