お家の進路相談所スタッフブログ

売主に嘘をつかせる不動産業者。

2016/6/24

 

「給湯器がときどき故障するが、そのまま黙って売り渡しても良いか?」中古住宅の売却を考えている方からのご相談です。答えはもちろん駄目です。

 

中古住宅の場合、全く不具合の無い物件はありません。使用年数にもよるでしょうが、給湯器、エアコン、ガス機器、照明器具、水栓、などの設備機器は少なからず劣化していますし、いつ壊れても不思議ではありません。

 

買主の立場から見れば、「使えるものは使いたいが、すぐに壊れてしまうようなら取り外すか、予め新品を付けておいてほしい。」でしょう。逆に売主の立場では「手放してしまうものにお金はかけたくない、売った後に運悪く壊れることもあるだろうが、負担はしたくはない。」が本音です。

 

以前は中古住宅の売買では、このようにそれぞれが都合の良いように考えるので、売主・買主のどちらが責任を負うのかトラブルの元でした。最近の取引では「告知書」という書類が契約書以外に売主から買主に対し提出されることが多くなってきたのでトラブルは減ってきました。

 

ただし、告知書は住まいの現況を買主に伝えるのが目的ですので、全ての設備が正常に作動することを保証するものではありません。中古なのですから不具合があって当然なのですが、頭書のお客様(売主)のように壊れているのが分かっているのに、偽って告げるのは詐欺になりますし、間違いなくトラブルになるのは目に見えています。

 

このような場合、売主は壊れた機器を取り除き、売買対象から外すか、修理若しくは新品に交換するべきでしょう。

 

具合の悪い機器は、買主に取ってはゴミを押し付けられたと同様です。中古住宅の売買は、おそらく個人間で行う商行為で最も高額な取引です、自分の信用を下げないためにも買主の立場になって商品を整えるのが肝要でしょう。

不動産業者の中には売主の機嫌をとったり売りやすくするために、嘘の告知を勧める人がいるようですが、責任を負わされるのは売主です。悪い奴ほど甘い言葉を囁くのは不動産の世界も同じです。

 

 

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