上棟の時の祝儀はどうする?
2013・09・24
このところ弊社のお客様の家の柱や梁を組み上げる作業(上棟)が続いています、あたらしい家が具体的な姿をあらわすと、私たちも気が引き締まる思いです。
施主として上棟する時に気になるのが、「上棟式をするのかしないのか、しなくても職人さんへの祝儀はどうすればよいのか?」直前に慌てる方もいらっしゃいます。
ネットで“上棟 祝儀”などのキーワードで検索すると、大工の棟梁には〇万円、職人さんには〇千円、などと、さも支払うのが常識のような情報があふれています。
では本当のところはいったいどうすればよいのか?決まったルールがあるわけでは無いので断定することはできませんが、そもそも上棟の際のご祝儀は“上棟式”という派手なセレモニーが必ず行われていた時の名残です。
本格的な上棟式は地方によっても異なりますが、祭壇を構え、棟梁が木遣りを唄うというような本格的な上棟式は、筆者も十年以上見たことがありません。そのような仰々しいセレモニーでは棟梁や職人にも通常以上の負担をかけることになりますし、信仰としての意味もありますので“祝儀”を払うのは常識でした。
現代では上棟式自体がほとんど行われないので(建築会社のなかには営業活動の一環で標準化しているところもあります。)本来の祝儀の意味を失しています。では、なぜ今でも祝儀を支払う慣習が残っているのかと言えば、医者が手術をするときに家族が「よろしくお願いします。」の意味を込めて渡すのとかわらない意味で渡していらっしゃる方がほとんどではないでしょうか。
弊社では事前に相談を受ければ、祝儀は原則として不要とお答えします。何もしないのはどうしても落ち着かないという方には、上棟の当日、10時や3時の休憩に間に合うように、缶コーヒーやジュース(いまどきはビールやお酒は厳禁です)、暑いときにはかき氷などを差し入れし、その場で職人さんたちに一言だけでも挨拶をしていただくことをおすすめします。
建設現場で働く者としては些細な金額の祝儀をもらうよりは、こころを込めた挨拶をいただく方が、よほど張り合いが出るものです。
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