お家の進路相談所スタッフブログ

バリアフリーは必要か?

 

 

近所の桜は5~8分咲きといったところです。今度の日曜日の家康行列の頃にはちょうど見ごろを向かえそうです。

 

先日、打ち合わせさせて頂いたお客様からのお話で、お年寄りが同居の予定なのでバリアフリーに気を配りたいとのことでした。ただし、10年以上先の話しなのでどういう工夫をすれば良いのかお悩みの様子です。

 

以前、私が自分の両親の為の家を計画したときの事です、親の年齢を考え、バリアフリーの工夫をふんだんに取り入れて、練りに練った図面を見せたのですが母親は何やら浮かない様子でした。何が気に入らないのか尋ねると、一言「年寄りくさい」という返事。せっかく一生懸命考えたのに、自分の親ながらなんて我侭なのだと一瞬思いました。でも良く考えてみれば解っていないのは私のほうでした。

 

当時、父は既に歩行困難で、常に介助が必要な状態でした。母は病気持ちではありましたが、健常者並みの生活はできました。私はその母のQOL(生活の質)を考えずに、父の都合中心で検討してしまったので、母にとってはやりすぎの感があったのと、倹約家の母にはお金をあまりかけすぎないようにという考えがあったのでしょう。

 

 だれでも自分の家を考えるとき、バリアフリーについては大なり小なり検討します。でも多くの方が具体的にはどうすればよいのか解らず、考えにつまずきます。その理由は明白で、将来自分がどうなるかわからないので考えようが無いのです。

 

そもそも【バリアフリー】とは何でしょう?似たような使われ方をする言葉で【ユニバーサルデザイン】という言葉もあります。どう違うのでしょうか?バリアフリーは高齢者や障害者等の社会生活弱者が生活する上で障害となる事を改善していく事ですが、ユニバーサルデザインはすべての人を対象としたデザインです。言葉の意味からすると、若い世代の方が考える場合はバリアフリーではなく、ユニバーサルデザインの手法で考えるのが妥当ではないかと思います。

 

例えば、高齢になれば全員が車椅子になる訳ではないですし、屋内のことばかりに目を取られて、玄関から道路の間が障害だらけでひきこもりを助長するようなデザインになってしまったりして、あまり考えすぎるとトンチンカンなものになってしまいます。

 

 ユニバーサルデザインの発想での家は、「お年寄りや障害のある人も使えるように配慮した」ではなく、「本来誰もが使える機能を備えなければならない」となります、日本の家づくりはそろそろバリアフリーを卒業して、ユニバーサルデザインに移行する時期ではないかと思います。

 両親のために用意した家は、それでも母にはナイショで随所に将来バリアフリー設備が必要になった際に困らないように隠れた工夫をしておきました。 その後、父を送り、母だけになった家ですが、その母も父を追いかけるように急逝したので、せっかくの工夫は日の目をみることはありませんでした。今頃母は天国で「それ見たことか!」と怒っていることでしょう。

 

 

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