住宅ローンは曲がり角を迎えたのか?
先日の日本経済新聞に、住宅ローンについて大変気になる記事がありました。概要は次の通りです。
・住宅ローンは低金利競争で金融機関の採算が悪化している。
・不良債権化が心配されている。
・撤退・縮小に転じる金融機関も現れ始めた。
たしかに、ここ最近の住宅ローンの金利競争は、異常ともとれるような競争状態です。どうやって利益を出しているのか疑問でしたが、やはり利益を出している状態では無かったようです。現状での利ざやは0.1%程度の様子で、薄利多売ではなく、“薄利小売”の状況が常態化していたようです。
逆にとらえれば、借り手にとっては非常に有利な状態であるという事です。ただしこのような異常な状態は長続きするわけなく、いずれ終焉を迎えます。既に住宅ローンから撤退する金融機関が出てきたという事は、カウントダウンが始まったとみて良いのではないでしょうか。
インターネット専業の住信SBIネット銀行が1月、ネット経由での住宅ローン受け付けを中止すると発表しました。住宅ローンでは常に他行より有利な条件を提示し、借り手にとっては優等生の扱いだったのに早々と撤退です、この事は他の金融機関に対し、いずれ大きな影響を与えることになるでしょう。
対して、大手行はまだまだ強気の様子です、より融資条件を緩和するなどして顧客の囲い込みを強化しています。借り手にとっては好ましいのですが、いつかは必ず反転期がやってきます、今後住宅ローンを考える方は、特に注意しておいた方が良さそうですね。
過去の経験則からすると、金利の上昇局面では急激に様々な取引が活発(加熱化)になります。そのような時は、人は冷静な判断ができなくなるかもしれません、“そなえあれば憂いなし”踊らされないためには見極める目を持つ必要があります。
こんな私のぼやきが、当たるのかはずれるのか、一年後にははっきりしているでしょう。既に住宅ローンを変動金利で借り入れ済みの方は、そろそろ相談窓口を探してみてもいいかもしれません。