既存住宅の耐震改修を進める方法。
2016/5/14
日本建築学会九州支部の現地調査によると、震度7を2度観測した益城町で、耐震性強化のため法改正された2000年以降に建てられたとみられる比較的新しい木造家屋51棟が全壊していたことがわかりました。 住民の聞き取りや専門家の分析では、1回目の震度7の地震で弱っていた部分が、2回目の震度7の地震で破壊された可能性があるとされています。
いわゆる、「新・新耐震基準」の建物でも耐えることができなかったという事です。今回の震災を契機に建築基準法が見直され、新築に対しては、さらに耐震性に対して厳しい基準を設ける必要があるのか判断が待たれますが、これまでに建てられた既存の住宅への対策が急務でしょう。
国交省の調査によると、既存の住宅の耐震性向上の為の改築が進まない最も大きな理由は、「耐震化に要する費用負担が大きい。」です。ではどうして費用負担できないのでしょうか?
耐震性に不安がある戸建住宅の所有者の多くは高齢者です。高齢者は自分が被災する可能性を低く見積もりますし、収入が限られているため、高額な耐震改修に投資をするよりも、現金資産として保有する方が有利と判断する人もいるでしょう。本音では耐震改修したいけれど、無い袖は振れないのが実情ではないのでしょうか?
では、行政が費用負担するのが適切かと言えばそうではないでしょうし、莫大な資金が必要になるので現実的ではありません。そもそも個人資産である不動産に公金を支出するのも不公平です。でも、お金だけが理由であれば解決方法は有るのではないでしょうか。
例えば、リバースモーゲージはどうでしょうか?リバースモーゲージは融資を受けても生存中は一切返済せず、死亡時に相続財産から一括返済する方法です。この方法であれば建物所有者は手持ち資金を取り崩すことなく耐震改修できますし、行政は金利の補助程度の支出で済みます(飴を与える分、鞭も要るでしょうが)。
災害の度に人的被害や復旧・復興支出に悩まされることを繰り返すより、予め痛みを分かち合い、将来に備えることの方が肝要と思います。
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