あなたが買うのは“筆”です。
弊社が入居するビルの前を自転車で通り抜けるご婦人たちのいでたちが、急に紫外線対策重視のスタイルに変わってきました、衣替えの季節になってきたのですね。
先日、他社の不動産業者と弊社のお客様の土地売買契約に純粋に立ち合い者として同席いたしました。その時に気になったのは、重要事項説明書の専門用語を購入者はどれぐらい理解しているのか?理解しなくても質問できないのか?それとも・・・?
そのお客様は時間の都合もあって少々やむを得ない側面もありましたが、やはり重要事項説明はできるだけ時間を取るか、契約の数日前までに済ませておくべくです。
とても基本的なことですが、不動産の取引では聞きなれない言葉として“筆”という言葉が必ず出てきます。“筆”とは土地を数える単位のことで、一つの土地の事を一筆(“いっぴつ”とか“ひとふで”)と数えます。どうして“筆”と数えるようになったのかは定かでありませんが(一つの土地は必ず一筆書きできるからとか、明治時代の土地を管理した台帳が一つの土地が一行で書かれていたからとか諸説あるようです)大抵の方は初めて耳にされるでしょうから、突然「あなたが買う土地は一筆です。」といわれても私は土地を買うのであって“筆”を買って書道をするわけでは無いのだけど~、と戸惑われるでしょう。
このように数え方からして不動産の取引は特殊です、しかも多くの方は一生に一回の一大イベントです。専門職の我々でも難解な法律用語などもご説明をしなければいけませんし、なにより大量の情報を短時間で理解していただくのは至難の業です、不動産関連の契約の時にはできるだけ時間をとっていただければ後悔しない不動産購入ができます。
私の知人の不動産会社の社長さんは、昼間は“人”で数えますが、寝ると猛獣のようにいびきがうるさいので“匹”になるそうです。