液状化はアンタッチャブル
今回の震災でもたらされた被害で、東海地方では
あまり目立った報道はなされていないことの一つに
液状化のことがある。
千葉県の一地域だけで750件の被害、全国では1万件ほどの被害だそうだ。
被害にあったのは、むろん埋立地であり、人口の密集地域と重なる
不安を煽るつもりはないが、東海地方はもともとが、水田か海浜を埋め立てた
造成地だらけであり、多くの家屋が関係のある話である。
この件については、以前から解っていたことであり
対策をしようと発言される学者がいないわけではなかったが
戸建て住宅については正直言って
有効な対策はほとんどできないのが実情である。
高層マンションや最近の公共施設などは
高額な費用をかけて基礎補強をしている建物が多いので
多少不安は減少するが、万全とは言い難いだろうし
地震の際に建物が傾かなくても、周りのライフラインが壊滅すれば
住めないのは一緒である。
被害にあった千葉県の学者の自宅は、根本的な対策は経済的にあきらめて
傾いた家屋を元に戻すという対処療法で済ますという事。
たしかに百年に1回の地震のために万全の対策を施すというのは
経済的に合理的ではないだろうし、それを行っても本当に効果があるかどうかは
わからないのだから当然の考えかもしれない。
但し、これからは別である、私たちは液状化の恐ろしさを学んだわけであるし
技術だって進歩しているのである
先人の教えを忘れ去らないうちに、あたらしい基準を作り上げるのが
私たちの務めではないだろうか。