眺望の良い土地探しの方法。
土地探しをする時に気になるもののひとつに「眺望」があります。窓の向うに遮るものが一切無いことを条件とするならば選択肢は「マンション」しかないでしょう、しかも複数の棟が連立するタイプはダメなので独立タワー型などが理想ですね。
不動産情報会社の調査で賃貸住宅に入居する人に「東京タワー」が見える賃貸物件には月額9233円プラスしても良いというアンケート結果があるそうです。もっとも東京タワーが見えるような立地は東京でもかなり高額な賃料の場所でしょうからどうせ高い賃料なら東京タワーの眺望がプラスされて欲しいという感覚もあるでしょうね。
では一戸建てで眺望を望む場合はどうしたらよいでしょうか?高台での立地であれば一方向は「良い」眺望が望めます、ただし難点はどうしてもセットで坂道が付いてくるということです。
普段の生活で坂道の困難と眺望を天秤にかけて、どちらが重要になるかは本人の希望しだいでしょうが、家族の中では意見が分かれるでしょう。
三河ではそもそも「三河平野」というくらいですから神戸や鎌倉のような夜景の望める戸建物件は希少です。そういった地域では全方位の眺望を望むのはまず無理ですが、ポイントを絞れば「良い眺め」は確保できる場所もあります、それは「借景」という考え方です。
借景とは公園や社寺など他人の緑をあたかも自宅の庭のように取り込んで愛でる方法です、購入費も管理費もゼロで楽しめますからお薦めです。借景を計画する場合は眺める窓を絞って(できれば眺める為に座る椅子の位置まで含めて)窓を「額縁」にみたてるのがコツです。例えば京都のお寺の畳上から庭園の景色を眺めるのと同じ方法ですね。
私は以前、「円通寺の比叡山を借景にした枯山水平庭」を一度見学したことがありますが、いつまでも座って眺めていたいと感じさせるぐらい素敵な空間でした。それほどの借景を住宅で作るのは難しいかもしれませんが、お金をかけずにちょっとの工夫で得られる「眺望」は立地(不動産)と居宅(建築)が連携すれば意外に手軽に手にできますよ、土地探しで苦労して見える方は、土地探しの考え方に借景も加えてみると良いでしょう。
坂道がまったく無い安城市生まれの私、子供の頃は丘の上に建つ家に憧れていました、50歳を迎える今年、つい坂道を避けて通るようになりました。