定期借地権付き住宅という選択
すっかり定着した感のある“定期借地権付き住宅”、今さら
ですが、注目です。おさらいのため“定借住宅”とは何ぞやを
少々ご説明しますと。
①住宅用の土地は買わないで借りる。
②借地期間は最低でも50年以上。
③借地期間中は地代を支払う。
④建物は土地の借主が、自分の好みで建てられる。
(建売形式もあり)
⑤建て替えも増改築も自由にできる。
定借住宅にはマンションもありますが、このシステムのメリット
を特に享受するのは戸建住宅です、特に分譲マンションを検
討している人はしっかりと比較していただきたいです。
定借住宅のその他の特徴としては、地域によっても異なりま
すが、住宅用地の広さが上げられます、平均的な所有権付き
分譲地とくらべると10~20坪くらいは敷地が広いです。
また、ランニングコストの比較においても分譲マンションの場
合毎月のローン以外に、駐車場代・管理費・修繕積立費・駐
輪場代等の諸々の費用が必要ですが、定借住宅はそのあた
りの費用負担はありません、但し毎月の地代の支払いの必
要はあります、毎月の地代とマンションの月々の諸経費を比
較すると当然物件の条件によって異なりますが、駐車場を3
台分確保したりすると地代のほうが安くなることが多々ありま
す。
分譲マンションは土地も建物も自分の所有物という理屈です
が実際に自由にできるのは部屋の中だけであり、玄関扉す
ら自由に飾ることもできません、対して定借の戸建住宅は基
本的には全て自由です、借地期間中は自分の所有物と同じ
ように扱えます。
仮に土地の価格を2,000万円とした場合、2.8%の金利で
35年ローンで返済すると毎月の返済額が74,755円で総返済
額が31,397,163円、地代を平均3万円として50年間支払うと
総額18,000,000円になります、毎月の差額を35年間貯蓄す
ると最終的に2,000万円を超えますし、支払うのと貯めるの
とでは2倍の開きになります。
経済的にはメリットがとても大きい定借住宅ですが、良い
ことばかりではありません、一番の問題はその流通量です、
通常の分譲に比べて販売会社にはノウハウが必要なので、
手掛けている会社が少なく物件の数がとても少ないのが現
状です、当然ストック(既存の定借住宅)も少ないので中古
物件を目にすることも稀です。
もし、ご希望の地域で定借住宅が販売されていれば一度
検討されてみるのも良いかもしれません。