建物お化けの出る土地
オカルトチックな話ではありません、昨日知り合いの不動
産業者の方と雑談をしている中で困っていることがあると
いうので聞いてみると、売主様から売却を依頼されている
物件に滅失登記のできない建物があって売却に支障が
あるとの事。建物を建てると通常は“この建物は私の物
ですよ”と主張する目的の保存登記という作業を行います、
その後その建物を解体して収去すると“その建物は無くな
っちゃいました”という意味の滅失登記を行うのです、この
滅失登記をしないでそのまま放置しておくと登記上は存在
するけれど、実際には存在しないという、いわば見る人に
よって有ったり無かったりする幽霊のような建物になって
しまうのです。
この滅失登記をしないで放置しておいてもその土地の
所有者が変わらなければあまり問題にはならないのです
が(本当はしないといけないですよ)、その状態で売却を
して次の方が金融機関の融資を受ける際に問題になっ
てきます、通常、金融機関はその土地と土地に付属する
ものすべてに抵当権を設定(もしお金が返せなくなった時
はそれをもらっちゃうよ、という約束)します、そのときに
基準になるのが登記されている物が基準になることが多
いので、こういった場合できるわけが無いという事で今から
滅失登記をしないといけないということです、ところが元の
建物所有者が行方不明とか外国に行っちゃったとかです
と処理をするのにとても時間がかかり全ての予定が狂い
ます、時間がかかるだけならまだ良いのですが、元の所
有者が判っていてもその方が滅失登記に同意いただけ
ない場合が厄介です。ほとんど嫌がらせで同意しないよ
うな場合(これが以外に多いから困ります)は、時間をか
けてご理解いただくか法的に処理するしかなくなってしま
うので時間の目途が立ちません、もしこんなトラブルを未
処理の土地を買ってしまうとせっかくのマイホームがいつ
までたっても作れないなんていう事態もありうるかもしれ
ません。
前出のその不動産業者の案件も、実は所有者が判って
いるのに同意していただけない困ったパターンだそうです、
その不動産業者はとても誠実な方なので、なんとか問題解
決しようと奮闘してみえますが、原因は人間関係のこじれ
から来ているみたいなので、とても時間がかかりそうです。
不動産業者って意外に苦労が多いんですよ。