「袋地」と「囲繞地」
く、苦しい・・・、は、鼻が詰まる~。杉花粉の前に不明の物質のアレルギーに悶え苦しんでいる私です。20年近く前の話ですが、花粉症の悪化を発端として入院の前科がありますので、この季節は毎年憂鬱です。春は恋しいが、花粉は憎い・・・複雑な心境です。
先日のセミナーで「袋地」における建築に付いてご質問をいただきました、袋地とは公道には直接に接しないで、他人の土地(これを囲繞地(いにょうち)といいます)を通行しなければ出入りできない土地のことです。この袋地でやっかいなのは基本的には新築や建て替えができないということです。
建築基準法で、建物の敷地は最低でも2mは道路に接しないと建築の許可がおりません(これを接道義務といいます)、その基準を満たさない為に建築の許可がおりないのです。こういった敷地は街中では意外に多いですね、中心市街地に近く、戦争の被害を受けた地区で、戦後に無秩序に家が建ってしまった地域は少なからず袋地が存在するようです。本来なら早い時期に、行政が区画整理をするなりして解決しておくべき問題だったのだろうと思いますが、今となっては簡単には解決できない問題になってしまいました。
とはいえ、その袋地に建つ家の所有者にとっては大切な財産ですし、住み慣れた場所であればなんとか住み続けたいでしょうが、建物は必ず老朽化しますし、近所の人にとっても建て替えられないことを理由に放置されても困ります。
行政によって対応は分かれるようですが、建て替えは不可でも、大規模なリフォームを認めることは充分にあり得ますし、その他の方法(例えば囲繞地の所有者に相談して敷地の一部を交換したり、部分的に買収したりして接道させるなど)はいくとおりも考えることはできます、まずはあきらめないで近くの専門家(不動産コンサルタントや建築士)に相談することをお勧めします。