岡崎市の地盤とスウェーデンサウンディング方式
通勤路沿いにある小学校の日陰に植えられた紫陽花が、開花時期を待ちきれないかの様子で急激に成長しています、そろそろ私たちの目を楽しませてくれるでしょう。それにしても、植物の旺盛な成長力がうらやましく感じられるのは私だけでしょうか?
お客様の相談をお伺いしていると、あの震災以来特に地盤に対する質問が明らかに増えました。せっかくのマイホームですからできるだけ地盤の良い場所に建てたいと考えるのはだれでも同じでしょう。しかし現状ではよほどの軟弱地盤であることが誰の目にも明らかである場合を除き、あらかじめ地盤の強度を公開して土地が売買されることはありません。残念ながら自分が希望する土地が、地盤が強固とは限らず、強固な地盤を期待できないかもしれないということを承知の上で購入するしかないのが現状です。
住宅を建築する際には10年ほど前に事実上、建築業者による地盤調査は義務付けられました。調査方法は一般的には『スウェーデンサウンディング方式』という方法が最も多く採用されています、スウェーデンサウンディング方式とはその名前の通り100年ほど前にスウェーデンの国有鉄道が地盤の調査に採用したのが始まりのようで、とても歴史のある調査方法です。(因みに費用は建築会社により異なりますが、無料から10万円ぐらいが相場です)
この方法、実は建築の専門家のなかでは長い間紫陽花のような日陰の存在でした。他の代表的な方法としてはボーリング調査という方法があるのですが、スウェーデンサウンディング方式はボーリングと違い、地中のサンプルを採取するという事をしないので信頼性がおけないという評価で(今でも信頼しない建築士は多くいます)ボーリング絶対主義がそれまでの考え方でした。
方法論はともかく建築する場合、現在ではどこかのタイミングで地盤調査は行われます。仮に地盤調査の結果、軟弱地盤と判断されても、ハウスメーカーの指定する地盤補強をすればメーカー保証は受けられます。
問題は価格です、地盤補強の方法は建物の内容(形状・階数・構造など)が決まらないとわかりません。地盤補強の方法によって金額は大きく変わりますが、数十万円から多いと百万円オーバーも珍しいことではありません。
正確なデータを見たわけではありませんが、現在では新築住宅の8割程度が何らかの地盤補強をしているそうです。(地盤調査の義務化前は1割程度だったそう。)住まいづくりで陥りがちな総予算のオーバーを防ぐために、土地取得段階から地盤補強予算はあらかじめ確保しておくべきでしょう。