お家の進路相談所スタッフブログ

使い続けられる 「間取り」

卒業式のシーズンですね、いくつになってもこの季節はなんだかセンチメンタルな気分になります(なんて自分で言っておいて赤面しております)。

 

住宅関係の仕事をさせていただいていると、間取りの相談は良く受けます。これまでに数百件の間取りつくりに関わらさせていただきましたが、ひとつとして同じ間取りはありません。

 

間取りを決める要素は、年齢・家族構成・性別・趣味・予算・素材・構造・向き・地域・高低・設備・・・・・数え上げるときりがありません。建築のおもしろいところでもあり悩ましいところでもあります。

 

元来、日本の家屋は「可変空間」が基本でした、すなわち襖や畳などで部屋を構成し、住まう人の都合に合わせて間取りを変えるという工夫で、建物を長期に渡って利用するという知恵がありました。

 

ところが日本人の思考の「勘違いの欧米化」により、使い続けることが困難な間取りの流行が、日本の住宅の短命化を招きました。日本の住宅の寿命(建替えサイクル)は30年未満であることは周知の事実ですが、その理由は建物の老朽化ではなく、間取りが使えないというのが建替えの一番の理由です。

 

さらには日本人の長寿命化・高齢者の増加などが「使えない間取り」の増加に拍車をかけました。長生きすることは本来、喜ばしいことであるはずなのに、最近では「長生きリスク」という言葉までできてしまう始末ですから増々将来が不安になります。

 

間取りを検討していくなかで、恐らくあまり意識していないのは、自身のこれまでの「経験」です。夫婦といえども子供の頃は全く違う経験をし、違うものを食べ、違う地域に住み、違う教育を受けました。その違いが間取りつくりでの意見の相違になることが多いように感じられます。

 

過去の経験を、話し合いのうえで家族全員が、納得して間取りを決めていくには相当のエネルギーを要します。それでもこの作業は必ず結論を出すことはできますので、悩まずに「楽しむ」ように意識していただきたいです。

 

平成12年の公的介護保険制度の導入により、高齢者の住宅の改修が注目されるようになりました。高齢者独特の身体能力の低下による不自由を、住宅改修により改善し、より社会とつながっていくことを目的とするわけですが、この身体能力の低下は個人差が激しいので、住宅の新築時にすべてを用意しておくことは不可能でしょう。

 

ただし、ある程度の予測が付く場合は「転ばぬ先の杖」の用意ができます。そんな時に頼りになるのが「福祉住環境コーディネーター」の資格者です。聞き慣れない資格ですが、東京商工会議所が主催する民間資格で、高齢者や障害者に対して住みやすい住環境を提案する専門職です。

 

自分が経験したことが無いことは、専門職の方の経験を利用させてもらうのもひとつの方法です、弊社にも「福祉住環境コーディネーター」の有資格者がおりますので、お困りの時はどうぞご相談ください。

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