屋根を考える。
台風が到来しています、この地方に、6月に台風が上陸するのはいったい何年ぶりでしょうか?
以前は台風が来ると、屋根瓦が飛ぶのを心配しました。最近では一部の地方を除き、台風で屋根瓦が飛んで被害が出る、と言う話はあまり聞かなくなりました。屋根材が多様化したのと施工方法が改められた事がその理由でしょう。
では、屋根瓦などの屋根材はどうやって選ぶのでしょう。最大の理由はそのデザインと機能で選ばれることでしょう、ではどんな種類があるかというと、
人造スレート:カラーベスト/コロニアル
天然スレート:スレート(玄昌石)
セメント系洋風瓦:厚形スレート、プレスセメント
年度瓦系:陶器瓦・素焼き瓦
金属系:ガルバリウム鋼板
等など意外に多くの種類があります。
その他には、最近のローコスト住宅で、復活の兆しがあるアスファルトシングルなどがあります。機能面では同じ種類でも、それぞれの商品で大きく分かれますのでここでの説明は避けますが、家の部材としては常にいちばん苛酷な環境におかれる部材ですので、少々の違いが後々大きく影響してくるところではあります。
少々の違いが大きく影響を与えるということでは、価格面での影響も大きいです。屋根の形状が複雑になればなるほど割高になりますし、最近では太陽光発電を搭載することも検討に入れておかなければなりません。
建物のデザインと性能にとても大きく影響を与える“屋根”ですが、建築の打ち合わせでは後回しにされることが多く、最終的に予算が厳しくなってから屋根材を決めるので、妥協せざる得なくなり、残念なことになることが多いのも“屋根”です。
重い屋根材を使えば、地震の時に頭でっかちになって倒壊の恐れがあり、軽い屋根材を使えば台風で飛散の恐れがあり、薄い屋根材を使えば断熱性や遮音性に劣り、厚い屋根材を使えばデザインが限定される、というとても選びにくい部材ではありますが、反面その重要性はとても大きいです。
屋根工事が建築費に占める割合は概ね3~5%です、当初の計画段階からきちんと考えておけばコントロールできない金額ではありません。
地味な存在ですけど重要な事って、見逃すと後悔する事が多いですよね。