住まいのリスク。
賃貸住宅にお住いの方の、住まいの購入動機の第一位は「家賃を払い続けるのはもったいないから。」です。賃貸が得か持家が得かの議論は別にして、至極当然の意見だと思います。
“家賃”は住み続ける限り永遠に払い続けなければなりません、「払い続けるのが嫌だから。」「払い続けても自分の物にならないから。」これらの発想は“リスクコントロール”故に賃貸では無く持家を選択するという事でしょう。
リスクコントロールとは、損失の発生を事前に防止、また、仮に損失が発生したとしてもその拡大を押さえて、損失の規模を最小限にするための知恵です。損をしたくない、もったいないのは嫌だ、それを回避するために“住まいを購入する”という行動を選択するわけです。
ところがこのリスクコントロールは、正しい情報に基づいていなければ間違った判断をしてしまいます。例えば、特に悪質な住宅を売りたい立場の人は「賃貸住宅に住み続けると生涯では○千万円もかかってしまいます、だから購入した方が得ですよ。」などとセールストークを出しますが、実はその金額はありえないような前提条件での試算である事が多く、単に購入者の意欲を向上させるためのトークでしかありません。売り手側の意見ばかりを聞くのではなく、中立的・客観的に助言できる立場の人の意見を聞くことによって、はじめて購入者にとって正しい判断をする事ができます。
しかし、購入時に正しい判断をし“リスクコントロール”ができたとしても、所有することにより新たなリスクが発生する事も忘れてはいけません。家賃を払い続けるリスクと所有したことによって発生するリスクの両方を回避する手段は、事前の準備“ライフプランニング”しかありません。
MOTTAINAI(もったいない)。少し前にノーベル平和賞を受賞されたケニアの方が、この言葉を世界共通語にしようと提唱されています。日本人はいつから外国の方に、あらためて日本語を教えてもらわなければならないほどダメになってしまったのでしょうか、いつの間にか“もったいない”という言葉はダサく感じられるようになってしまったようです。小学生の頃に水道の蛇口をきちんと閉めずにいたら、先生からげんこつで叩かれたのを思い出します。
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