快適な家の考え方。
「やっぱり家は恰好良くなくっちゃ。」お客様から良く頂戴するお言葉です。まったくもってその通りですが、恰好良い家＝快適な家という方式があてはまるものではありません。
デザインの好みは個人で違うのは当然ですが、快適性についてはほとんどの方が「夏涼しく、冬暖かい住まいが欲しい。」と希望されます。けれど、住まいを考える時には、間取りの使い勝手を優先的に考えるあまり、快適性を捨ててしまっていることに気づかない方はとても多いのではないでしょうか。
たとえ同じ間取りの家であっても、建てる地域によっては快適性の違いがでます。建物が建つ場所の条件（広さ、道路の方向、高低差、隣地の建物の位置、風向き、音etc・・・）により同じ間取りであっても住み心地は全く違う物になってしまいます、机上でばかり間取りを考えていると“恰好の良さ”ばかりに目が行ってしまい、できあがると「こんなはずじゃなかった。」となります。
典型的な例は窓の位置です、ありがちなのはリビングの窓がお隣のトイレの窓と向き合っていたり、隣家の寝室の窓と自宅の寝室の窓が向き合っている事などは街中でもよく見かける風景です。
「そんなミスはしないよ。」と言われてしまいそうですが、最近目にした例では、24時間換気の吸気口が、隣家の換気扇の出口の前にある、エアコンの室外機置き場を考慮していなかったので、玄関の真横に室外機が並んでいるなど、とてもプロが介在して考えているとは思えない家が後を絶ちません。
建築主の意見をそのまま図面にするしか能のない設計者や、自分の考えたプランしか認めようとしない独りよがりの無責任建築家に惑わされることのないように、「こんな家に住みたい。」と同時に「こんな家には住みたくない。」も考えるようにしましょう。
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