お家の進路相談所スタッフブログ

木造住宅は寿命が短い?

2016/9/5

 

 

「日本の木造住宅の寿命は30年も無い。」とまことしやかに言われますが、それは本当でしょうか?

 

仕事がら解体工事は何度も見てきました。解体する理由は、自宅の建て替えであったり、購入した土地に付いていた古家が邪魔だったりと様々ですが、重機が入って本格的に壊し始めると感じるのが、「まだ使えたなぁ~。」です。

 

築年数が30年も過ぎると、見た目も老朽感にあふれ、手入れもされていないので、あちこちとガタがきて、汚れも放置されたままですから、解体したい気持ちもわからないではないですが、重機が入って建物の柱や梁などの内部が見えてくると、新築当時と変わらないような色を保ち、木の香りすら漂ってきます。

 

人間でいえば、基礎体力は問題なくまだ働けるのに、見た目が衰えてきたから、「もうお前は要らない。」と言われている気分です。確かに時代に合わないところはあるのでしょうが、使う人がそれに合わせるか、それなりに手をかけてやれば、まだまだ使えるのが日本の木造住宅です。

 

つまり30年で物理的な寿命が来るのではなく、使い手の経済的な事情や家族構成の変化が理由で解体されるのであり、安普請だからとか、日本は湿度が高いからなどと言う理由ではないのです。

 

住まいの希望を叶えるのに、「リフォームだと1300万円、建替えだと2000万円、どちらがいいですか?」と聞かれると多くの方が、「700万円しか違わないなら新築にします。」と答えるそうです。冷静に投資コストだけを考えれば、間違いなくリフォームの方が得なのでしょうが、これまでの日本人の経済力では、それでも建替えを選んでしまい、「木造住宅は30年」の図式ができたのでしょう。

 

鉄骨系のハウスメーカーさん、いつまでもお客様に、「木造住宅は30年ももちませんよ。」などと嘘をついてはいけませんよ。

 

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